その日のお客様に合わないとグズグズに崩れ、もう立直せない。
そしてウケることが大前提。
そう。
「地噺(じばなし)」
会話よりも、演者の地の語りで筋を運んでいくので、「いつまでマクラが続くんだろう」と思われる方もいらっしゃいます。
滑稽噺、人情噺、怪談噺、芝居噺、音曲噺に民話調のネタ。その一つが地噺なんです。
地噺は、ちゃんと作るのが大変。漫談と思っている方も多くいらっしゃるようですが…
漫談が出来るからと言って地噺が出来るとは限らない。
逆に地噺ができれば、ある程度、漫談ができる。
地噺は、本当はハードルが高い技術なんです。
そして、ウケようとしない地噺は、地噺ではないとアタシは思ってます。
それくらい、ウケる事を意識してやっています。
それが落語との違い。
人物描写で結果としてウケるのが落語。なのでウケなくても言い訳はききますが、地噺はウケなかったらもう落第です。
分かりやすく言えば、アタシのマクラ。これは地噺がベースで、落ちに向かって話していく。小朝師匠やたけ平兄のまくらも、同じく落ちのある地噺ベースのまくら。
兼好兄さんも、まくらの作り方がこのタイプかな。
よく間違われるのは、圓歌師匠のネタ(やかん以外)や歌武蔵師匠の『支度部屋外伝』はストーリー(筋)は無いので漫談となります。
逆に、某国宝のように、落ちに向かってではなく、話すことがあってそのまま話す、という形のマクラもあり、そのタイプのマクラをふる噺家が圧倒的に多いかしら。
ちなみに白酒師匠のマクラは切り口自体が特殊なマクラ。さすがです!
地噺の名手、たけ平兄さんは先代圓歌師匠から「地噺はいくらウケても評価されないよ」と言われたそうです。
そんな地噺で評価された例外が、談志師匠の『源平盛衰記』。
若い頃、このネタでウケにウケ、売れに売れたんだそうです。
権太楼師匠世代の師匠方は「入門前はあの源平に憧れた。」と仰います。
今、音源を聞いても、若い頃の談志師匠のトントンといく口調はたまりません。ギャグも、その当時よくウケてます。
談志師匠は先代三平師匠から教わったのだそう。
アタシの「源平盛衰記」も元は三平師匠のモノ。
時事ネタを入れやすく、持ち時間5~25分まで調整可能。
時期や持ち時間だけでなく、お客様の層によっても中身も変わってきます。
今後、色んなシチュエーションでの、アタシの『源平盛衰記』を是非楽しんで頂けたらうれしいです!
4/25(日) 18:05から 千葉テレビの「お茶の間寄席」で、アタシの『源平盛衰記』の放送がありますので、ぜひご覧ください!
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