「寄席」「景清」ヲ上野ヨリ…(鈴本演芸場ニテ)

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「寄席」「景清」ヲ上野ヨリ

.              市楽改メ玉屋柳勢

都内にある五つの寄席。中でも、格式ある鈴本演芸でトリを取らせて頂けるというのは、噺家にとって最も栄誉なこと。

噺家たるもの、寄席で活躍できてこそ。

二ツ目時分は、二ツ目枠があるので何とか出演させて頂けますが、真打ちになれば話は別。すべての真打ちとの真剣勝負。実力も人気も無ければ、定席に出ることすら叶いません。

お披露目の興行は、まさに真打ちへの第一歩。

そんな鈴本演芸場近くには、落語『景清』の舞台となった清水観音堂があります。

「上野の清水の観音様、あそこへ信心してごらん」

目が見えなくなった木彫りの職人・定次郎が、お世話になっている石田の旦那に言われ、観音様に日参するようになって百日目…。

主人公が盲目の為、テレビでは放送されませんし、高座にもなかなか掛からない噺。アタシは昨年二月に初演して以来、方々で掛けており、申し上げる度にどんどんどんどん好きになっています。

この噺を得意とされていた先代の文楽師匠は、上野・黒門町にお住まいでした。アタシの『景清』は文楽師匠とは違う、ちょっと珍しい型。披露目では掛けられたらと思っています。

なろうことなら上野ハ鈴本演芸場ニテ…。

(たまやりゅうせい)

 

※上野のれん会発行「うえの」No.731 2020年3月号に掲載された記事を許可を得て掲載しております。

 

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〇「支度しながら思うこと」 寄席でトリをとるということ

 

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