5年くらい前だったでしょうか。
金翁師匠が、若い頃に手掛けた新作の台本を落語協会に預けた
という話を、孫弟子のときん兄さんから聞きました。
アタシは師匠の元にお伺いし、
これから台本を読ませてもらい、今でも出来そうな作品があったらやらせて頂きたい
そう師匠に申し上げました。
すると、
「ああ、どんどんやって。ただ作家の書いた作品なので、その人や遺族の許可を取らなくてはいけないので、高座に掛ける前に知らせてほしい。
それから、自分の前でもやってもらいたい」
そう言われました。
(そんな昔の作品でもお稽古をつけて頂けるのかしら)
と思ったら、驚いたことに、
「それを見て自分でもやってみたい」との事。
90歳間近でいらしても、更にネタを磨き増やそうとされているとは。
そう思い、感動したのを覚えています。
結局、一通り台本を読んでみましたが、今現在やってみてウケそうなのは、師匠もよく掛けていらした『表彰状』と『病を楽しむ男』辺りでしたので、その台本群の中から噺を手掛けることはありませんでした。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
(2022.8.27 17:09 HPに投稿)