[噺のネタ]13『四段目』(桃月庵白酒師匠から)

卒論は歌舞伎『助六から観る歌舞伎の歴史』。

歌舞伎を好きになったきっかけは大学1年の秋。国立劇場に『三人吉三』の通し狂言を観たこと。それからは幕見席を使ってよく観劇してました。

好きな役者は中村富十郎さんと坂東三津五郎さん。
二人ともお亡くなりになってしまいましたが(泣)

噺家になってからは、圓太郎師匠に「イヤホンガイド代わりに」(笑)よく歌舞伎座にお誘い頂いておりまして…ありがたい限りです。

相撲と芝居の噺については「本当に好きな者だけがやればいいんだ」という考えの、うるさ…いや、厳格な師匠・市馬からも歌舞伎のネタを堂々と演じる許可を得ています。

そんなアタシなので芝居に関わるネタは掛けたくてたまりません。

今一番高座に掛けている芝居の噺が『四段目』です。

これは白酒師匠に教えて頂きました。

今『四段目』をやる落語協会の若手はほぼ全員が白酒師匠に教わっています。

また芸術協会でこのネタを広めている遊雀師匠も白酒師匠からですし、正蔵師匠のも遊雀師匠から。

もうほとんど全員が白酒師匠の型でやっていると言っても過言ではありません。

そんな『四段目』の見せ場は、小僧の定吉が『仮名手本忠臣蔵 四段目』の判官切腹の件を真似する所。

白酒師匠はこの場面を、終始子供が芝居の真似をしている体で表現されていますが、アタシは、お客さまに徐々に本物の芝居を見ているかのように錯覚して頂けるよう心掛けて演じています。

アタシが芝居好きというのもありますが、米朝師匠もそのような解釈で錯覚効果を演出されており、枝雀師匠も著書によると米朝師匠のお考えに賛同されているようです。

これ以上ない位の理論的なバックボーンを得て、今後も気持ちよく四段目を演じて参ります。

 

・上方落語の『蔵丁稚』(=四段目)は全体の尺も長く芝居の件も細かいのですが、アタシは寄席で掛けたいので、芝居もコンパクトに、を心掛けています。自分の好きな件を長々とやるとお客様を置いてけ掘りにし兼ね無いので。自分のやりたい所こそコンパクトに。