其之壱(2019年6月14日)

一、真田小僧  市坊
一、粗忽の使者 市楽
一、締め込み  三三
一、景  清  市楽

<ごあいさつ>

私こと柳亭市楽は2020年3月に真打昇進が決まりました。これもひとえに、お世話になった師匠方や関係者、そして何より日ごろから応援してくださる皆さまのおかげです。
心より感謝申し上げます。

さて、本日は三三兄さんをゲストにお迎えしての其之壱。兄さんは、アタシにとって本当の兄弟子のような存在なんです。そんな兄さんの胸をかりて、アタシなりに精一杯高座を勤めさせていただきます。

真打に向けて企画した「披露目の支度」。本日のネタ『景清』は目が見えなくなってしまった職人が主人公の噺。昭和の名人、黒門町こと八代目桂文楽師匠が十八番。といってもアタシのは黒門町の型ではありません。

盲目の男の元に嫁いだ女性の献身、そして取って置きのサゲ・・・。

あくまでも、落語の「いい噺」を目標に、心をこめて申し上げます。

長い長い噺家人生の中でも特別な節目に、こうして落語を通じて繋がることができたのも何かのご縁。このご縁をきっかけに、皆さまを真打昇進後の「真剣勝負」まで道連れにするつもりで、残りの二つ目人生では出来るだけの事を頑張る所存です。皆さまも、腹をくくってアタシについてきてくださいまし!

我々みんなで、まずは来年3月21日から鈴本演芸場を皮切りに始まる、各寄席の真打披露目興行へ挑みましょう!

令和元年六月十四日
柳亭市楽