「噺の種」

 2018年から新しい会「噺の種」を始めました。

おかげさまで、2020年春の真打ち昇進が決まりました。今まで130のネタを覚え、真打昇進披露興行では困らないだけの噺のストックは出来ました。この会は、真打昇進後、もっと言えば10年20年の後にやりたいネタを仕込む、将来得意にする(したい)噺の種を植える、未来を見据えた勉強会です。将来、「あいつのあのネタの初演聞いてるよ」と仰って頂けるような種を植えられたらと思っています!

 

<第8回>2019年7月11日(木)
『中村仲蔵』ほか

本日は「噺の種」第8回へご来場ありがとうございます。メルマガでもお伝えしましたが、中村仲蔵は江戸時代に活躍した歌舞伎役者。大部屋役者の出で、江戸三座のトップに出世したのはこの初代中村仲蔵と幕末の市川小団次のたった二人。仲蔵がトップに上がるずっと前のお噺です。
師匠、お客様など、いろんな人の支えで芸人が大きくなっていく物語。イイ噺です!
そして今回のネタおろしは『たがや』
夏の落語の名作で、地の語りで物語を進める「地噺」と呼ばれるジャンルのネタです。
そもそも、このアタシが地噺ができるなんで思ってなかったんですが、ジバナシストの林家たけ平兄さんから「地噺合うから絶対やった方がいいよ』と言われたのがきっかけで挑戦しました。
アタシのやる噺では『紀州』『お血脈』『源平盛衰記』『芝居の喧嘩』『目黒のさんま』なんかがそうですね。
地噺のスペシャリスト・春風亭小朝師匠によると「三大難しい地噺」の1つが『たがや』なんだそうです。
心して掛かります。

<第7回>2019年4月17日(水)
『がまの油』『お見立て』『死神』

今回はこれまで手を付けてこなかったタイプの噺に挑戦という事で、本当に大変でした。慣れないキャラクターに噺全体のトーン、何から何までこれまでとは異なるので、試行錯誤しながらの稽古でした。バカバカしい噺が好きなアタシとしては、気持ちも滅入ってくるので思うように捗らず…。悪戦苦闘の稽古でした。
とはいえ、新しいアタシを披露できる良い機会でもあるので、それを励みに何とか本日を迎えています!(だから何でも良いので感想書いてネ)
2020年春の真打昇進も決まり、色々な事が変わり始めています。
二つ目でいられる最後の貴重な時間を、応援して下さる皆様と共有できる事が本当にありがたいです。今日の『死神』を聞いた事が、後々皆様の自慢となるような、そんな頼もしい噺家になれたらと思っています!
「噺の種」は続けて参りますので、応援の程、よろしくお願い致します!

 

<第6回>2019年2月21日
『初めての宝塚・星組』『お血脈』『棒鱈』『景清』

今回初演の『景清』は、今まで手を出してこなかった、少し重たいタイプの人情噺です。アタシとしては、やはり明るく楽しく、バカバカしい噺をやりたいのが本音。しかし今後そう遠くない真打を見据えて、芸の幅を広げていきたい、との思いでネタを選びました。次回の『死神』もしかりです。
『景清』を得意にされている三遊亭金馬師匠は「景清は心で喋る噺なんだ」と仰っているそうです。本日のアタシの『景清』は金馬師匠の型ではありませんが、心を込めて高座を勤めたいと思います。
あ、いつも込めてます(汗)

 

<第5回>2018年12月26日
『粗忽長屋』(ネタおろし)、『紀州』、『芝浜』

本日のネタ出しは二年ぶり四回目となる「芝浜」です。習った師匠に「これは年季のいる噺。結婚したり子供ができたりという経験を重ねて成長していく噺だから、気長に育てていってね。」と言われました。所帯を持って初めての『芝浜』です。 日々の苦労…イヤ…カミサンをもらった有難味が伝わるはず…だってこんなに日々……(汗)
暮れの名作、人情噺の代表の様なネタですが、私の大好きな五街道雲助師匠のよくおっしゃる「泣かそうとしないで、滑稽噺の様な心持ちで」お届け出来たらな、と思っています。今日の『芝浜』で、あたたかい気持ちになって頂けたら嬉しいです。

 

<第4回>2018年10月17日
『道灌』、『だくだく』、『質屋蔵』

未来の十八番を作るべく新たな噺を仕込む勉強会、「噺の種」。
本日のネタおろしは『だくだく』です。
元々は古今亭志ん橋師匠が芸術協会の先代桂文治師匠から教わって、それが落語協会でも広まったネタ。前座の頃に聴いた柳家喜多八師匠の『だくだく』。その面白さとバカバカしさに高座袖で感動をしたのを覚えています。
「バカバカしいネタほど難しい」のが落語。私なんかがおそれ多い、と今までやらずにいましたが、「真打も近いのに、いつまでもそれではいかん」と意を決してのネタおろしです。夢の中でのガッキーの後押しが決めてですが…(笑)
今は種でもいつか花が咲きます様、見守ってください。ガッキーとボクを。

こんにちは。市楽です。「噺の種第4回」のご案内です。
今回は『だくだく』をネタおろしします。
正直、この噺は全くやるつもりはありませんでした。(だって難しいんだもん…てへ。) が、ある日、「市楽さんに合うと思うの(ハート)」と夢の中でガッキーが勧めてくれたので、挑戦することにしました!
たった一人の演者の語りで、聞き手が想像力を働かせながら楽しむのが落語。バカな二人の「…のつもり」合戦。みなさんの頭の中に描き出させることができるのか…そして、この想いはガッキーに届くのか⁉乞うご期待!

 

<第3回>2018年6月20日
『寿限無』、『阿武松』、『野ざらし』

未来の十八番を作るべく新たな噺を仕込む「噺の種」。本日のネタおろし『阿武松』は昭和の名人・三遊亭円生師匠の十八番です。
何年か前に深夜寄席に出演した際に、高座をご覧になっていた末広亭の会長から「お前は円生師のネタが合うよ。落語協会は三遊亭の一門が少ないからどんどんやってくれよ」のお言葉を頂戴しました。
単純、いや素直(笑)な僕はそれ以来、円生師の得意ネタをコツコツ仕入れています。今回の『阿武松』もその一つ。
今は種でもいつか花が咲きます様、見守って頂けたら幸いです。

 

<第2回>2018年4月18日
『芝居の喧嘩』、『宿屋の富』、『お化け長屋』

今回は古今亭志ん朝師匠の十八番『宿屋の富』を初演します。
序盤は主人公の「金持ちエピソード」、中盤は愛すべきキャラクター「二番富の男の1人喋り」、そして後半は「当たり番号を確認するくだり」と、見せ場の多い楽しい落語です。
寄席のトリでもよく掛かるお馴染みのネタ。だからこそ、ひと味違うね、と言われるようになったらしめたもの。
今はまだ小さな〈種〉でも、いつか大輪の〈花〉が咲きますよう、末永く見守っていただけたら嬉しいです。

 

<第1回>2018年2月21日
『夢の酒』、『三味線栗毛』、『明烏』

元々純文学しか読まなかったボクが推理小説にハマったのが大学二年の頃でした。中でもお気に入りは北村薫先生の「円紫さんと私」シリーズ。当たり前の日常の中で生じた謎を解いていくこのミステリの探偵役が落語家の春桜亭円紫さん。各エピソードで出てくる噺の数々に興味を持ったのが、ボクと落語との出会いでした。それからは塾講師のアルバイト代のほとんどが寄席の木戸銭や落語のCD代に消えていき、ついには噺家に・・・。
そんな円紫さんの十八番が本日初演の「三味線栗毛」。地味なネタで演者も数人しかいませんが、私にとって大事な大事な噺です。いつか「市楽の三味線栗毛良いよね」と言われたら「あ、その初演聞いてるよ」なんて「噺の種」になりますよう精進して参ります。あ、記念すべき初回の一席目も円紫さんの得意ネタです。お楽しみに。